2025年度 第4回『DXものづくりWG』 開催レポート
アジェンダ
2026年1月9日(金) 15:30~17:30 2025年度 第4回 DXものづくりWG
1.AI時代のエンジニア生存戦略ほか NTT Data Group 陣 宏充氏
2.事業紹介と新製品紹介 株式会社JUST.WILL 古賀 陽介氏
3.会社紹介 株式会社ユーエスアイ 小川 由紀子氏
4.XRLiteの紹介 株式会社ATINDE 久木元 伸如氏
5.会社の取組及び課題 それいけシステムコンサルティング株式会社 森 成史氏
6. 意見交換
1. 「AI時代のエンジニア生存戦略ほか」の紹介
NTT Data Groupさまによるご講演では、生成AIの急速な進化に伴う、エンジニアの生存戦略とAIツールの活用について説明されました。プログラミングの自動化が進む中で、エンジニアは「コードを書く人」から、システム全体を「描く(設計・管理する)人」への転換が求められていることが共有されました。
まず、AIが高度なコーディングを可能にする中、エンジニアの役割はAIが作ったものを理解し、管理・マネジメントする能力にシフトしている。 最新ツールの導入として GoogleのGeminiやNotebookLM、開発環境のProject IDX(Anti-gravity)などを紹介し、これらを活用した作業効率化が提唱されました。
質疑応答では、ベテランの強みとして幅広い技術的知識や全体最適を見通せる能力を持つ40代・50代のエンジニアこそ、AI時代に生き残るポテンシャルが高いという意見が述べられたほか、どんなに優秀な技術を持っていても、売れなければ意味がなく、「組織という機械」を動かす力(パワーバランスの理解など)を学ぶべきとのアドバイスがありました。現場ものづくりならではの実務に根差した活発な議論が行われました。

2. 「事業紹介と新製品紹介」の紹介
株式会社JUST.WILLさまからは、建設現場における、「スマートセンサー型枠システム」によるコンクリートの強度管理について発表されました。IoT技術を用いて、コンクリートが固まる過程の強度をリアルタイムでデータ化する取り組みが紹介されました。
従来の模擬試験体(テストピース)の圧縮試験値を躯体の強度に代用していたアナログ方式から、躯体の水和熱情報を直接収集し、その場で、リアルタイムに強度発現履歴をビジュアル化する技術は、まさにICTを活用した建設業界のDXだという意見が出ました。

3.会社紹介
株式会社ユーエスアイさまからは、 1946年創業の歴史ある商社として、理化学機器・分析装置の販売とメンテナンスに加え、スマート農業への進出を模索している現状が報告されました。製造業の品質管理部門や研究所、大学などが顧客の中心であるが、農業DXへの期待として 大分県や九州各県の農業試験場などとの繋がりを活かし、農業分野でのセンサー活用や生産性向上など「物になる商品」の開発につなげたいと紹介されました。
メンバーからは、 10年ほど前の農業センサーブームでは「センサーを買って終わり」という例が多かったため、今後は「本当に物になる(利益に直結する)商品」の開発が求められるという意見が出されたり、農業現場では水の管理が重要であるため、水田の適正値をモニタリングして自動供給するような仕組みは需要が高いのではないかという具体的なアイデアが共有されました。

4.XRLiteの紹介
株式会社ATINDEさまからは、製造現場におけるデジタルツインを活用した技術伝承と知識共有について紹介されました。
高価なシステムではなく、安価かつ簡易に導入できる仕組みとのことです。3Dスキャンデータや3DCADデータ上に、テキストや写真、TeamsなどのWebアプリのリンクを「付箋」のように貼り付け、現場でiPadを用いて即座に参照できる仕組みであり、 熟練工の「カン・コツ」や現場の気づきを3Dモデルに紐付けることで、新人教育や仲間同士の知識共有させる手法を重視していると紹介されました。
メンバーからは、高価なシステムを導入するよりも、現場でiPadなどを使って「早く簡単に検索できる」ことが、多忙な現場担当者にとっては最も助けになるという意見や、現場の情報を蓄積するに当たり、まずは業務そのものの「標準化」が課題であり、そこを整理した上でデジタルツインを活用した方がよいとのアドバイスがありました。
付け加えてブラウザで3DCADデータを表示できる3DViewerも紹介されました。

5.会社の取組及び課題
それいけシステムコンサルティング株式会社さまからは、AIを活用した養鶏(肉用鶏)の体重管理システムの社会実装についての取り組みが発表されました。
AIを活用すること鶏の生育の可視化が可能となり、アニマルウェルフェアに基づいた品質が均一な鶏の出荷が可能になります。 さらに、鶏は宗教に関係なく食するので、AIを活用した養鶏DXで九州から世界市場を狙っています。
農業・畜産分野での所得向上と地方創生さらに人類共通の安定的なたんぱく源の確保を狙いとしているとのことです。ITを「誰もが使える道具」として農業現場に届けたい思いがあるとのことです。
メンバーからは、鶏がどのように育ったかというデータを消費者に公開することで、鶏肉のブランド価値を高めることが農業・畜産分野での所得向上に寄与できるのではとの意見が出ました。



事務局より
今回のWGには、15名(会場で12名+オンライン3名)もの多くのメンバーに参加頂きました。今回は、11月に行われたDXものづくりWG拡大版や、交流・展示会での効果もあり、5社の方に登壇いただくなど、DX推進に関する事例や製品紹介など話題が盛沢山で、議論が活発に行われました。ご参加いただき、ありがとうございました。WG終了後、恒例となった懇親会にも多数ご参加いただき、ワイワイ・ガヤガヤと更に深い議論を交わすことができました。ご説明だけでは聞けなかった裏の話や実例など、なかなか面白い話が聞けました。

DXものづくりWG現地参加者の皆さま

