2025年度 第2回『DXものづくりWG』 開催レポート
アジェンダ
2025年9 月19日(金) 15:30~17:30 2025年度 第2回 DXものづくりWG
1.ハイブリッドAIで実装する農業DXの紹介 Good Things 藤井洋平氏
2.AI診断を利用した自立筋肉による腰痛改善システムの紹介 パーソナルトレーナー 西拓弥氏
3. 意見交換
1. 「ハイブリッドAIで実装する農業DX」の紹介
Good Things によるご講演では、北海道を拠点に取り組んでいる農業分野でのデジタルトランスフォーメーション(DX)について、製造業の知見を応用した実践事例が紹介されました。特に、生成AIとルールベースを組み合わせた「ハイブリッドAI」によって、現場のノウハウを取り込みながら段階的にDXを進めていく考え方が共有されました。
まず、「製造業の概念を農業生産へ応用」する取り組みとして、農業における人手不足解消、品質確保、収益性向上を目的に、半導体業界や製造業で用いられる考え方を農業現場に移植することをめざしている点が紹介されました。また、「地域特化型のエコシステム構築とAIの役割」として、持続可能な農業を実現するためには、地域に根付いたエコシステム(生態系)の構築が重要であることが説明されました。
質疑応答では、標準化の必要性とその課題について議論が深まりました。農家はこれまで経験や感覚を頼りに作業を行ってきた背景があるため、「製造レシピ」のような栽培工程の標準化が必要であることが指摘されました。さらに、サービスモデルの運用と地域性の関係にも話題が及び、サービスを提供する際には北海道と九州で散布効率が異なることから、地域特性に合わせた価格の適正化とサービスモデルの設計が重要であるという意見が交わされました。地域で運営が持続し、収益が地域内に落ちる仕組みをめざすという方向性も共有され、現場ものづくりならではの実務に根差した活発な議論が行われました。


2. 「AI診断を利用した自立筋肉による腰痛改善システム」の紹介
パーソナルトレーナーさまからは、国民の8割が経験し、推定3000万人が悩む腰痛に対し、AI診断やセンシング技術を活用して根本的な改善を目指すシステムについて「非特異的腰痛(原因が特定されない慢性的な痛み)に対する客観的診断の導入」や「運動療法と個別最適化プログラムとして運動療法やモーターコントロール(腰に負担をかけないよう股関節や肩関節を使う動きの練習)の提供」についてAIが原因を分析した上で、ストレッチやエクササイズ、日常生活のアドバイスなど、個別化された改善プログラムの提案についてDXものづくりWGメンバーに意見を求めるものでした。
WGメンバーからは、
動作データ取得技術の課題 AIに学習させるための動作解析データ(モーションキャプチャー)の取得には、AIを活用し、効率の悪いマーカーが不要でキャリブレーションが約5分で済む新しいモーションキャプチャーシステム「Captury(キャプチュリー)」が、実用的なデータ取得ツールとして紹介されました。
また医療行為との境界線と標準化 システムが「診断」や「治療」の領域に踏み込むと、法律上「医療行為」と見なされるが、パーソナルトレーナーは国家資格を持たず、個々の知識やスキルの差が大きいため、指導側のレベルを一定に保ち、標準化された評価軸を設定することが課題であるという意見が出ました。そのため、AIは最終的な診断を下すのではなく、人が診断する際の「アシスト」としてのツールと位置づけることが重要であるとの意見が出ました。


事務局より
今回のWGには、13名(会場で11名+オンライン2名)の多くのメンバーに参加頂きました。今回も、DX推進に関する事例や製品紹介など話題が盛沢山で、議論が活発に行われました。ご参加いただき、ありがとうございました。WG終了後、恒例となった懇親会にも多数ご参加いただき、ワイワイ・ガヤガヤと更に深い議論を交わすことができました。ご説明だけでは聞けなかった裏の話や実例など、なかなか面白い話が聞けました。

